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副業は雑所得か事業所得か(判定と税金の差)
本業の年収と副業の売上、帳簿をつけているかを入れると、国税庁の通達の目安でどちらになりやすいかを判定します。 あわせて、雑所得のまま申告した場合と、事業所得・青色申告にした場合で、副業で増える税金がいくら違うかを出します。
業務に係る雑所得になるケースです
帳簿と書類を保存していない場合、売上300万円以下の副業は、原則として雑所得です。帳簿をつけて保存するようになれば、来年以降の判定は変わります。
- 雑所得寄り: 取引を記録した帳簿と書類を保存していない
- 雑所得寄り: 売上が300万円以下
- 参考: 今年の売上は本業の年収の12.0%
副業で増える税金(所得税+住民税、2026年分の制度で計算)
- 副業の所得(売上 − 経費)
- 600,000円
- 雑所得として申告
- 112,100円増える
- 事業所得(白色申告)
- 112,100円増える
- 事業所得+青色申告65万円
- 変わらない
青色申告65万円にできると、雑所得のままより約112,100円少なくなります(控除額は600,000円。黒字の所得が上限)。 今の判定では、事業所得・青色申告の欄は「認められた場合」の目安です。
判定の目安(国税庁の通達)
事業所得になるかどうかは、その副業が「社会通念上事業と称するに至る程度」かどうかで決まります。 2022年10月に国税庁の通達(所得税基本通達35-2)が改正され、その判断の目安として帳簿と書類を保存しているかが示されました。
| 副業の売上 | 帳簿と書類を保存している | 保存していない |
|---|---|---|
| 300万円超 | おおむね事業所得(例外あり) | おおむね雑所得(事業と認められる事実があれば事業所得) |
| 300万円以下 | 雑所得 |
帳簿と書類を保存していても、次の場合は事業かどうかを個別に判断する、と通達の解説に書かれています。
- 収入が少ない: 例年(おおむね3年)売上が300万円以下で、主たる収入(会社員なら本業の給与)の10%未満
- 営利性がない: 例年赤字で、収入を増やす営業などの赤字を減らす取組をしていない
例えば年収500万円の会社員なら、副業の売上が毎年50万円未満だと「収入が少ない」の例に当たります。 この場合は、帳簿をつけていても、事業所得になるとは限りません。
「売上300万円以下の副業は雑所得」と説明しているページもありますが、今の通達では、帳簿と書類を保存していれば、売上300万円以下でも事業所得になることがあります。 300万円が目安になるのは、帳簿と書類を保存していない場合です。
事業所得になると変わること
- 赤字を給与と相殺できる: 事業所得の赤字は給与所得と損益通算できます。雑所得の赤字は、他の所得から差し引けません
- 青色申告ができる: 青色申告特別控除で、所得から最高65万円を引けます(雑所得は青色申告の対象外)
- 赤字を翌年以降に繰り越せる: 青色申告なら、引ききれなかった赤字を3年間繰り越せます
上の計算の「事業所得+青色申告65万円」は、65万円の控除が受けられた場合の税金です。 65万円の控除は、複式簿記で帳簿をつけ、e-Tax で申告する(または優良な電子帳簿で保存する)ことが条件です。 簡単な帳簿なら10万円、複式簿記でも書面で申告すると55万円になります。
青色申告にするには
- 税務署に開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)を出す
- 青色申告承認申請書を、青色申告をしたい年の3月15日までに出す(1月16日以後に開業した場合は、開業した日から2か月以内)
- その年の取引を帳簿につけ、書類と一緒に保存する
2026年分の申請期限(2026年3月15日)はもう過ぎているので、今年開業したのでなければ、青色申告にできるのは2027年分からです。 なお、2027年分からは、55万円の控除は e-Tax での申告が条件になって65万円に、65万円の控除は優良な電子帳簿の保存などが条件になって75万円に変わる予定です(令和8年度税制改正の大綱)。
雑所得でもしておくこと
雑所得でも、請求書や明細、経費の領収書は残しておきましょう。 確定申告で売上と経費を説明するときの根拠になりますし、帳簿をつけ始めれば、翌年以降は事業所得として申告できる可能性も出てきます。
運営者の状況
私の副業(2026年分)は、帳簿をつけていないので、この判定では雑所得になります。 2027年分も、今のところ開業届を出して青色申告にする予定はありません。
確定申告書の作り方
副業の確定申告書は、国税庁の確定申告書等作成コーナーで、無料で作って e-Tax で出せます。 1年分の売上と経費をまとめておけば、あとは画面の案内に沿って入力していけます。
日々の売上や経費を記録しながら申告書まで作りたいなら、会計ソフトを使う方法もあります。 副業の雑所得の申告に使えて、無料で始められるものは次の通りです。
ここで紹介しているソフトは、運営者はまだ使っていません。2026年分の申告で使ったら、手順と感想をここに書き足します。 料金は2026年10月7日に公式ページで確認したものです。
この計算の前提
- 判定は国税庁の通達と解説の目安をそのまま当てはめたものです。最終的には、副業の中身(継続性、使っている時間や設備など)を総合して判断されます
- 「主たる収入」は本業の給与の年収(額面)で比べています
- 税金は2026年分の制度で、本業の給与は1か所・年末調整済み、扶養なし、その他の所得控除なしで計算しています
- 青色申告の赤字の繰越しは、金額に入れていません
出典
- 国税庁:所得税基本通達の一部改正について(令和4年10月7日)と解説
- 国税庁:No.2250 損益通算
- 国税庁:No.2070 青色申告制度
- 国税庁:No.2072 青色申告特別控除
- 財務省:令和8年度税制改正の大綱
2026年10月12日時点の情報です。自分の副業の区分に迷ったら、税務署や税理士に相談してください。